【泌尿器科医監修】尿の回数が多い病気とは?ー過活動膀胱、前立腺肥大症、膀胱炎、心因性頻尿などー

【尿ラボ】【泌尿器科医監修】尿の回数が多い病気とは?ー過活動膀胱、前立腺肥大症、膀胱炎、心因性頻尿などー

健康のため、体の新陳代謝をうながすために、水を飲むように推奨されることがあります。
たとえば、健康やダイエットのために水を1日2リットル飲むとよい、などと聞いたことはありませんか?
しかし、そのような健康法は、1日の水分摂取量が増えるのに比例してトイレに行く回数も増えてしまうのが玉にキズ。
このように、水分摂取量が増えて排尿の回数が増えるのは普通のことですが、特に水分を多くとっていないのにトイレが近くなることがあります。
排尿の回数が増える裏側には病気が隠れていることがあります。
ここでは、排尿の回数が多い病気にはどのようなものがあるか、ご紹介します。

 

「尿の回数が多い」とはどの程度?

健康な人の場合、1日の排尿の回数は、日中は5~7回、夜、就寝している夜間は0~1回が一般的です。
1回に排尿する量は200~400mlで、1回の排尿には大体20〜30秒かかります。
トイレで尿をしっかり出しきることができるので、排尿後に残尿感は残りません。
1日の尿の総量は、どのくらい水分を摂取したか、汗をどのくらいかいたかにもよりますが、だいたい1000〜1500ccだとされています。

それでは、排尿の回数が増える、いわゆる「頻尿」とはどういう状態でしょうか。
日本泌尿器科学会によると、朝起きてから就寝までの間の排尿回数が8回以上の場合が「頻尿」ということになっています。
膀胱の大きさなどで個人差がありますが、この回数がひとつのめやすとなります。

 

尿の回数が多い病気1 過活動膀胱

尿の回数が増える病気として一般的なものが「過活動膀胱」です。
「過活動膀胱」とは、膀胱に尿が十分に溜まっていない状態にもかかわらず膀胱が勝手に収縮してトイレが近くなる病気です。
急に尿がしたくなって我慢ができなくなる(尿意切迫感)、急におしっこがしたくなり、トイレまで我慢できずにもれてしまう(切迫性尿失禁)、という急激な尿意が特徴ですが、それとともに尿の回数が増えるという症状もあります。
昼間だけでなく、夜間も頻尿のため起きることが増えていきます。
加齢とともに増加するポピュラーな病気で、40歳以上の8人に1人がこの病気に悩んでいると言われています。

過活動膀胱に対しては、薬による治療が一般的です。
それと並行して、「膀胱訓練」や「骨盤底筋体操」などを行い、機能の弱まった膀胱や骨盤底筋を日常生活の中で鍛えていきます。

参考:「過活動膀胱(OAB)の症状・原因と治療法」(排尿トラブル改善.com)

 

尿の回数が多い病気2 前立腺肥大症

「前立腺」とは、精液の一部を作る、男性にしかない臓器です。
「前立腺肥大症」とは、加齢とともにこの前立腺が大きくなる病気です。
30代から肥大が始まり、50代で30%、70歳で80%にみられるポピュラーな症状です。
歳をとることに伴う自然現象とも言えるので、前立腺が大きくなること自体に問題はありません。
ただ、前立腺は膀胱のすぐ下にあるため、大きくなった前立腺に膀胱や尿道が圧迫されると、尿の回数が増えたり、尿のキレが悪くなったりという悪影響が出てしまうことがあるのです。

治療としてはまず薬の投与が行われます。
初期のうちは薬物療法が効果的ですが、放置して肥大してしまうと手術となってしまうこともあります。

参考:「前立腺肥大症の原因と症状」(旭化成ファーマ)

 

尿の回数が多い病気3 膀胱炎

「膀胱炎」とは、何らかの原因で膀胱の中に細菌が入って繁殖し、膀胱の粘膜に炎症を起こす病気のことです。
女性のほうが尿道が短いため、女性に多くみられ、女性の2人に1人は経験すると言われます。
膀胱炎の症状としては、トイレに頻繁に行きたくなる頻尿、排尿のときの強い痛み、尿が白く濁る、残尿感などがあります。

膀胱炎の治療には抗生物質が用いられます。
薬を飲めば症状は改善しますが、繰り返しやすい病気のため、普段の生活から水分を多くとる、トイレをがまんしないといったことに注意するようにしましょう。

参考:「膀胱炎はどう治す?」(ファイザー)

 

尿の回数が多い病気4 心因性頻尿

トイレに行く回数が増えたにもかかわらず、上のような原因となる疾患がみられない場合は、「心因性頻尿」になっていることがあります。
心因性頻尿の人は、トイレに対する不安が強く、「またおしっこがしたくなるのではないか」「トイレに行けなかったらどうしよう」といったことが気になりすぎて、かえって頻尿になってしまうということがみられます。不安が大きすぎて、膀胱の収縮を引き起こしてしまうのです。
逆に、何か別のことに集中しているときや、夜、寝ているときは尿意を感じないのが特徴です。

心因性頻尿の治療としては、服薬や、トイレに対する不安を減らす心理的トレーニングなどが行われます。

参考:「尿もれ・頻尿お役立ち情報」(ファイザー)

 

その他の尿の回数が多くなる病気

これらの病気は、加齢やストレスなどにより、誰でもかかる可能性のある一般的なものです。
しかし、尿の回数が多くなったときには、膀胱癌、尿路結石などの大きな病気が隠れていることがあります。
膀胱癌の症状には、血尿や排尿時の痛みとともに頻尿があります。また、尿路結石ができると、膀胱を刺激して頻尿となってしまうのです。

このように、尿の回数が多くなった裏には、何らかの病気が潜んでいることが少なくありません。
気になる症状があるときには、病院を受診することをおすすめします。

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