【泌尿器科医監修】尿の回数が多い原因は?ー膀胱の病気、膀胱の縮小、水分の取りすぎー

【尿ラボ】【泌尿器科医監修】尿の回数が多い原因は?ー膀胱の病気、膀胱の縮小、水分の取りすぎー

1日に何度もトイレに行く。夜中にトイレのために何度も起きなければならない。
このようなお悩みを持っている方は多いのではないでしょうか。
歳を重ねれば重ねるほど、尿の回数が多いというお悩みは増えていきます。
ここでは、なぜ尿の回数が多くなるのか、その原因についてご紹介します。

「尿の回数が多い」とはどの程度?

「尿の回数が多い」と言いますが、1日に何回以上なら尿が多いということになるのでしょうか?
健康な人の場合、1日の排尿の回数は、日中は5~7回、夜、就寝している夜間は0~1回が一般的です。
1日の尿の総量は、水分の摂取量や、汗の量にもよりますが、だいたい1000〜1500ccだとされています。

それでは、排尿の回数が増える、いわゆる「頻尿」とはどういう状態でしょうか。
日本泌尿器科学会によると、朝起きてから就寝までの間の排尿回数が8回以上の場合が「頻尿」ということになっています。
膀胱の大きさなどで個人差がありますが、この回数がひとつのめやすとなります。

 

尿の回数が多い原因・1「膀胱などの病気」

膀胱炎

「膀胱炎」とは、女性に多く見られる、何らかの原因で膀胱の中に細菌が入って繁殖し、膀胱の粘膜に炎症を起こす病気のことです。
トイレに頻繁に行きたくなる頻尿のほかに、排尿のときの強い痛み、尿が白く濁る、残尿感などがあるのが膀胱炎の特徴です。

 

過活動膀胱

「過活動膀胱」とは、排尿が必要なほど膀胱に尿がたまっていなくても、膀胱が勝手に収縮して尿意をもよおす病気です。
すぐに尿意を感じて尿の回数が増えるほかに、急に尿がしたくなって我慢ができなくなる(尿意切迫感)、急におしっこがしたくなり、トイレまで我慢できずにもれてしまう(切迫性尿失禁)、という急激な尿意が特徴です。
トイレに行きたくなるのは昼間だけでないので、寝ているときでも強い尿意で何度も起きることになります。

 

前立腺肥大症

「前立腺」とは、精液の一部を作る、男性にしかない臓器で、「前立腺肥大症」とは、加齢とともにこの前立腺が大きくなる病気です。
50代で30%、70歳で80%にみられ、歳をとることに伴う自然現象とも言えるので、前立腺が大きくなること自体に問題はありません。
ただ、前立腺は膀胱のすぐ下にあるため、大きくなった前立腺に膀胱や尿道が圧迫されると、尿の回数が増えてしまうことがあるのです。

そのほかに尿の回数が多くなる病気としては、ストレスなどが原因で、トイレに対する不安が強くなりすぎて、かえって頻尿になってしまう心因性頻尿や、尿路結石などがあります。
膀胱ガンのような大きな病気が隠れている場合もあるので、気になる症状があるときは、病院を受診することをおすすめします。

 

尿の回数が多い原因・2「水分の取りすぎ」

病気ではなく尿の回数が増える原因としては、単純に水分の摂取量が増えて、結果的にトイレに行く回数が増えることがあります。
体内に入った水分は、汗や呼吸などで出るもの以外は尿として排出されます。人間の体は、尿の量を調節することで体内の水分量を一定に保っているのです。
最近は、新陳代謝をよくする健康法としてミネラルウォーターを多く飲む人も増えています。
2リットル水を飲むと、それだけトイレに行く回数は増えるということですね。
トイレを気にするあまり水分を控えるのはよくないので、トイレの行きすぎで生活に支障のない範囲で水分はしっかりとるようにするといいでしょう。

 

尿の回数が多い原因・3「膀胱が小さくなった」

膀胱が小さくなると、中にためておける尿の量が減るので、尿の回数が多くなります。
「膀胱が小さくなる」といっても、膀胱のそのものの容量が直接小さくなる場合と、膀胱の大きさは変わらないのに機能が低下して、利用できる容量が減少する場合があります。
膀胱そのものが小さくなる原因としては、膀胱炎、過活動膀胱などがあります。
膀胱の機能が低下する原因としては、前立腺肥大症や、神経因性膀胱があります。
女性は更年期になって女性ホルモンの分泌量が減ると、その影響で膀胱が小さくなることがあります。

 

尿の回数で異常を感じたら受診を

健康診断での尿検査は尿そのものの診断しか行いませんが、実は尿の回数も病気かどうかを判断する重要なバロメーターです。
尿の回数が増えたからといってそれがすべて病気というわけではありません。
また、前立腺肥大症などになって尿の回数が増えても、生活の中で許容できるようであれば様子を見ながら上手につきあっていくということもできます。
ただ、尿の回数増加の裏には、重大な病気が隠れている可能性もあります。特に、頻尿とともに尿の色の変化や排尿痛などがある場合は要注意です。
また、トイレに行く回数が多かったり、尿漏れの不安があったりすると、生活の質が下がってしまいますよね。
尿の回数が増えて困ったと感じたときには、病院を受診するようにしましょう。

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