60歳を目前とした私自身(男性)に起きた尿漏れの体験談をお話しいたします。
それまでは尿漏れは女性に多い症状と聞いたことがある程度でした。50代半ばまでは全く尿漏れの気配も感じなかったことから、自分には関係ないものと思って関心はありませんでした。
しかしいざ自分自身に起きてみると相当にショックであり、まだ数十年あるであろう人生においてどう付き合っていくか、真剣に考えるようになりました。
医者にもかかり、経過観察を続けながら投薬の効果を試している最中です。
尿漏れの原因や対策には個人差がありますが、経験と情報の共有をできればと考えて、参考までに記してみたいと思います。
50代も後半にさしかかり、頻尿気味の自覚は徐々に芽生えておりました。
仕事は運送業のドライバーです。運転中に簡単にトイレに行けない、重い物を持つ、運ぶといったイメージがあると思いますが、ほぼその通りの職業です。
59歳も目前のある日の仕事中、その日もなかなかトイレに行けない状況が続いていました。
例によって納品時に少々重い荷物を持ち上げた時、下腹部に経験したことのない嫌な感じがありました。
「えっ?まさか?」半信半疑のまま納品を終えてトイレに行った時に尿漏れの事実を確認しました。
以前なら我慢出来ていたくらいの尿意であるにもかかわらず、チョロッと尿漏れを経験してしまったのです。これはショックでした。
まさかこれを境に尿漏れが起きるようになるとは……
年齢的にいろいろな疾患を経験するようになりましたが、「尿漏れ」というものは言葉の響きや世間の目を意識するとどうしても恥ずかしい思いがあります。
自分が実際に仕事中に初めて尿漏れ(その時は微量であり他人に悟られるようなことはなかった)を経験した時は、たまたまだと思いました。
タイミング悪く尿が溜まっている時に力んでしまったからと都合の良いように解釈していました。
その反面、いよいよ肉体的に人生の最終章に突入してきたのか? という悲しさも心のどこかに湧き上がってきていました。
実は父親が今の自分と同じような年齢の時に、同様に頻尿・尿疾患で苦しんでいたことを思い出したのです。
私の場合はたまたま60歳近くになって頻尿の症状が出て来ましたが、加齢以外に遺伝や他の疾病が影響することもあるのだと聞きました。
私は腎臓に石ができやすい体質で、過去に何度も尿管結石で苦しんだことから、現在も定期的に通院して検査を受けています。
その関係で医師からは水分を十分摂取するよう言われており、現在も意識的に多めの水分摂取を続けていることが頻尿の要因になっていることは間違いありません。
そして、最近の検査で前立腺肥大が進んでいると指摘がありました。実は男性の尿疾患には前立腺肥大が大きく影響するのだそうです。
前立腺が肥大化すると膀胱が圧迫され尿を十分溜めることができなくなり、切迫感のある突然の尿意から尿漏れするケースも多いのだと。
もちろん加齢による様々な筋力の低下も我慢と関係なく尿漏れ・尿失禁に繋がります。
現在は同じ泌尿器科の分野ということで、腎臓結石の検査と前立腺肥大および尿漏れについて同時進行で検査と医師のアドバイスを受けています。
尿漏れ対策としては、私の場合は前立腺肥大を抑えることから始めています。幸いまだ手術するような段階ではないため投薬にて様子をみています。
実際現在の投薬は2種類。女性ホルモンを促す薬と尿の出を抑える薬。
前立腺肥大には男性ホルモンが大きく影響するため、その改善策として効果を期待して服用しています。
尿の出を抑える薬は、下手すると尿が出なくなる副作用があるため注意が必要です。
投薬以外では、極力尿を溜め我慢をすることも言われています。
しかし、すぐにトイレに行ける環境であればギリギリのタイミングを試せますが、運転仕事ではそうもいかずなかなか難しいと感じています。
投薬を中心とした治療を始めてまだ3ヶ月ほどしか経っておらず、劇的に何かが変わったというところまではいっていません。
ただ直近の血液検査では、前立腺ガンの疑いに関係する数値が減少したことと、尿漏れに至る前にストップできる(切迫感が薄らいでいる)感覚があります。
水分摂取の関係で昼間の頻尿の度合いはさほど変わりませんが、夜中2時間程度ごとに尿意で目が覚めていたのが4時間ぐらいまで耐えられるようになってきているのは助かります。
投薬でどこまで改善できるかはわかりませんが、それなりの効果は出始めていると思われます。
ただ、治療費・薬代の負担は軽くはありません。なるべく自力で改善できればと思っています。
まだ尿漏れを体験してから1年も経っておらず深刻な状況には至っていませんが、放置しておくのはかなり問題があると思います。
単に尿漏れに留まらず、他の疾患や睡眠不足に繋がるというのは寿命にも大きく影響してきます。
尿漏れは他人に知られたくない症状ですが、ひとりで悩まずまずは医師に相談して検査・アドバイスを受けましょう。
自分の身体を正しく知り、正しく治療・改善策を講じることが大事だと思います。
薬に頼らずトレーニングで改善できればそれが一番! 尿漏れを恐れず他人の目を恐れないことも必要です。
今は男性用の尿漏れ対策下着も充実しており、ズボンのシルエットに影響しないものもあります。
淡い色のズボンがはけないとか頻尿で旅行もできないという消極的思考から、やれることはやってみようという積極的思考になりましょう。
人生はまだまだ続いていくのですから。