男性の尿漏れ・ちょい漏れの原因ー前立腺肥大症、過活動膀胱以外

中年の男性の多くが悩む尿漏れやちょい漏れ。
頻発すると臭いが気になったり、下着が濡れるのが不快だったりと人知れず悩んでいる人も少なくありません。
しかし、日常生活でちょっとしたことを気を付けるだけでちょい漏れを防げます。
また、背景に病気が潜んでいることもあるので注意をしなければならない尿漏れもあります。
この記事では、男性の尿漏れやちょい漏れのメカニズムとその種類についてご紹介します。

 

男性の主な尿漏れ・ちょい漏れ原因

男性の尿漏れの多くは「過活動膀胱」と「前立腺肥大症」が原因だと言われています。
男性の尿漏れのメカニズムとしては、まずはじめに「前立腺肥大症」が起こり、その肥大した前立腺が膀胱や尿道を圧迫し、尿が出にくくなるのです。
すると尿が無理やり出ようとして、筋肉がいたみます。
次に脳と膀胱との連携がうまくいかなくなると、膀胱が勝手に収縮して起きる「過活動膀胱」の状態になります。
「前立腺肥大症」は多くの場合良性疾患で、生活に支障がなければ治療の必要はありません。
しかし、極まれに脳血管障害などが原因で起こることもあるので、心配な人は一度病院を受診してみてください。

では「前立腺肥大症」と「過活動膀胱」、ちょい漏れの「排尿後尿滴下」はどうして起きるのか詳しくご紹介します。

 

前立腺肥大症

「前立腺肥大症」とは文字通り前立腺が大きくなってしまう病気です。
「前立腺」とは、男性にしかない生殖器の一つで、恥骨と直腸の間にあります。
前立腺液と言われる精液の一部を作り、精子を保護したり、栄養を与える大事な役目を担っています。
前立腺は尿道を取り囲む位置にあるため、肥大してしまうと排尿に様々な悪い影響があります。
大きさは通常20ml以下でクルミぐらいの大きさですが、大きくなると卵やみかん程度の大きさまで大きくなります。

「前立腺肥大症」の理由はまだ多くは分かっていませんが、加齢と共に多くなり、50代で30%、60代で60%、70代で80%、80代で90%の人に見られます。
そのことから男性ホルモンが「前立腺肥大症」の原因の一つと考えられています。
全ての人に治療が必要なわけではなく、排尿障害などが伴い治療を要す人は全体の4分の1と言われています。
その他には高血糖や肥満、高血圧、脂質異常症などが「前立腺肥大症」に影響があります。
大豆や穀物などに多く含まれるイソフラボノイドは「前立腺肥大症」を抑える効果があると言われています。

「前立腺肥大症」で起こる尿漏れで多いのが溢流性尿失禁です。
トイレに行ったときは尿は出ないのに、普通に生活を送っているとちょろちょろと尿が出てしまうため、日常生活に支障のある尿失禁です。
「前立腺肥大症」によって下部尿路閉塞が起きるため、尿が出にくくなることにより膀胱に尿が溜まっていきます。
そうするとトイレでは出せないのに、膀胱から溢れてしまい尿漏れの症状として現れます。この症状を放置してしまうと、膀胱で溜まっている尿が細菌に感染して腎不全になる恐れがあるので注意が必要です。

参照:名古屋大学 / 泌尿器化学教室「前立腺肥大症」

参照:日本泌尿器学会 / 「尿が漏れる・尿失禁がある」

 

過活動膀胱

通常、尿を膀胱にためるまで尿意は起こらず、排尿は起こりません。
しかし、過活動膀胱になるとこのコントロールがうまくいかず、膀胱が縮んでしまったり、尿道を締めることができなくなります。
そうすると尿の回数が多くなったり、尿が漏れてしまったりといった現象が起きます。
これが「過活動膀胱」です。
この病気の原因は主に二つあります。

一つ目が神経によるコントロールがうまくいかなくなる神経因性過活動膀胱です。
脊髄の損傷や脳卒中などの神経に悪い影響がある病気が原因で、その後遺症として「過活動膀胱」がおきます。
尿道や膀胱の神経がうまく働かなくなり、調節ができなくなるので、尿を膀胱にためておくことができなくなります。

二つ目が非神経因性過活動膀胱の「過活動膀胱」です。
加齢や肥満等で膀胱や尿道を支えている筋肉である骨盤底筋が弱ってしまい起きる「過活動膀胱」です。
骨盤底筋が弱まると排尿を調節している尿道を締めることがうまくできなくなり、ちょっとした刺激で尿が出てしまうといった症状が出ます。

参照:グラクソ・スミスライン株式会社 / 男性の排尿.JP「過活動膀胱(かかつどうぼうこう)

 

排尿後尿滴下

 

「排尿後尿滴下」とは排尿を全て出しきったはずなのに、排尿直後に尿がほんのわずかな量出てしまう症状を言います。
量は少ないですが、臭いが気になったり、下着が濡れる不快感を感じたことのある男性も少なくありません。
50代以上の男性では3~4割がこの症状が見られます。
原因は球海綿体筋という尿道周囲の筋肉が弱まることがほとんどですが、膀胱炎や前立腺肥大症が原因で起きることもあるので注意が必要です。

参照:ウィキペディア / 排尿後滴下

 

尿漏れの種類

尿漏れは4つの種類があります。
それぞれ原因も違い、対処法も違います。
自宅で簡単に対処ができるものから、すぐに治療が必要なものまであるため、自身の症状をよく見極めて対処することが大切です。

症状 原因 対処方法
腹圧性尿失禁 笑った時、くしゃみなど、下腹部に力が入った時に漏れるというのが特徴です。女性に多い症状です。 妊娠や加齢、肥満などによる、骨盤底筋群の筋力低下 骨盤底筋
トレーニング
切迫性尿失禁 中高年に多い症状です。強い尿意があり、大量に漏れてしまうのが特徴です。 脳卒中や脊柱疾患などの中枢神経障害の疑い 薬物療法
溢流性尿失禁 慢性的にだらだら漏れるのが特徴です。 尿道の閉塞や膀胱の筋力低下 原因疾患の治療
機能性尿失禁 排尿に関連した動作や、判断が出来ない状態を言います。 移動能力の低下や認知症など 動作訓練
環境調整

 

ちょい漏れを自覚したら

 

ちょい漏れは「尿道ミルキング」という方法で劇的に改善します。
これは排尿をした後に、陰嚢の裏から先までを牛の乳をしぼるように尿をしぼりとることです。
圧をかけ物理的に尿を出すことで、ちょい漏れは劇的に改善します。
それでも改善しない場合は注意が必要です。
残った尿が細菌に感染することによって膀胱炎や腎不全を引き起こしたり、背景に膀胱癌などの怖い病気が隠れていることもあります。
そのような場合は迷わず泌尿器科にかかってみてください。

この記事を書いた人
SNSでフォローする