人知れず悩んでいる人が多い男性の尿漏れやちょい漏れ。
実は毎日の簡単なトレーニングで劇的に改善する可能性があります。
道具は何もいらず、自宅で今すぐできるので、悩んでいる人はやってみる価値ありです。
この記事では尿漏れ、ちょい漏れ防止のトレーニングやその他の対策についてご紹介します。
まず一つ目にご紹介するのは骨盤底筋体操です。
骨盤底筋とは膀胱や内臓を支えている筋肉で、加齢や女性だと出産で伸びてしまい筋力が衰えます。
骨盤底筋が弱ると内臓が下に降りてきてしまい、一番下にある内臓である膀胱を圧迫し結果として尿漏れにつながります。
少しの力が加わっただけで尿が漏れてしまうようになるため、笑ったり、くしゃみをしたり、運動をしただけで尿が漏れるようになります。
このようにお腹に力が入ることによって尿が出てしまう症状を「腹圧性尿失禁」と言います。
骨盤底筋を鍛えることにより、症状が改善するため、やり方をご紹介します。
骨盤底筋体操トレーニングのやり方
骨盤底筋体操トレーニングのコツ男性は「肛門」、女性は「膣」を締めるイメージを |
横になる方法もありますが、壁によりかかって行うこともできます。
その場合は膝を立ててリラックスして行ってください。
慣れてきたら椅子に座って行うことや、机を支えにして立って行うこともできます。
コツはリラックスして行うことと、力まないことです。
いろいろな場所でできるようになると、ちょっとした家事の合間や仕事の休憩時間にもできるようになるので便利です。
女性の尿漏れは骨盤底筋が弱ったことによる「腹圧性尿失禁」が大半をしめるため、大きな効果が期待できます。
男性でも尿漏れ予防につながります。このトレーニングを継続することで「切迫性失禁」のように突然の尿意を感じた場合にもトイレに行くまでに尿道をしめることができるようになります。
トレーニングではないですが、次にご紹介するのは男性のちょい漏れを防止する「尿道ミルキング」という方法です。
ちょい漏れは「排尿後滴下」という症状で、尿を全て出しきった直後でも極少量の尿が漏れ出る症状です。
下着を濡らす不快感や、時間がたつと臭いが出ることから人知れず悩む男性も多いのではないでしょうか。
「尿道ミルキング」のやり方陰茎の付け根部分から尿道の出口に向けて、牛の乳をしぼるようにたまった尿を絞り出す |
絞り出した尿はトイレットペーパーで受け止める必要があるため、個室でやるのがおすすめです。
少しだけ残った尿を物理的に圧を加えて出してあげることにより、ちょい漏れは劇的に改善します。
尿漏れの一番の悩みは、下着やズボンにシミがついてしまうことではないでしょうか。臭いも気になりますね。
こうした悩みを解消するアイテムとして、尿漏れ対策パンツがあります。これは、吸水性や速乾性のある生地やパッドを使ったパンツのことです。
多くのものは、パンツの前部分に吸水パッドを縫い込んで、尿漏れによるシミや臭いを防ぐ仕組みになっています。パッド部分は大変薄いので、ごわつくこともありません。洗濯も普通に出来ますから、普段使いの下着として繰り返し着用できます。
最近は、見た目は普通のパンツと全く変わらないデザインのものがたくさん出ているので、人目を気にすることなく気軽に履くことが出来そうです。
また、普通のパンツの中に装着して使用する、紙製の使い捨てパッドもあります。少量の尿漏れ用ならパッドの薄さは2.5mmから3mmと非常に薄いので、アウターに響くことなく着用出来ます。
パンツもパッドも男性専用のものが出ているので、それらを活用しましょう。女性用のもので代用しようとしても、身体の形状が違うために何かと不具合が生じ、そのことがかえってストレスになってしまいます。
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毎日の生活習慣を見直すことでも、尿漏れを予防することは出来ます。
たとえばコーヒーやお酒を摂取しすぎてはいませんか? カフェインやアルコールは利尿作用が強いので、尿意も頻繁になり、尿漏れを引き起こしがちです。
また、便秘も尿漏れの大敵です。腸につまった便が膀胱を圧迫して尿漏れを引き起こしてしまう場合もあるのです。
肥満も同様に脂肪が膀胱を圧迫するので、尿漏れの原因になります。肥満や便秘が気になる方は、食生活を見直し、適度な運動を心がけるなどして体形の改善に取り組んでみましょう。
男性の尿漏れやちょい漏れの原因は、加齢や肥満によるものもありますが、「前立腺肥大症」や「過活動膀胱」などの病気が隠れていることもあります。
「前立腺肥大症」
男性にある生殖器の一つである前立腺が、通常クルミぐらいの大きさから、卵やみかんぐらいの大きさになる病気です。
前立腺は尿道を取り囲む位置にあるため、肥大してしまうと排尿に影響が出ます。
肥大する理由は詳しくは分かっていませんが、加齢と共に増えていき、50代で30%、60代で60%、70代で80%、80代で90%見られることから男性ホルモンが何らかの関係があると言われています。
前立腺肥大症の症状がある人のすべての人に治療の必要があるわけではなく、排尿障害等の症状があり、治療の必要がある人は全体の4分の1程度です。
「前立腺肥大症」が起こると膀胱を圧迫し、尿が出にくくなります。
そうすると尿が無理に出ようとして筋力が弱ります。
また、その症状が続いて脳との連携がうまくいかなくなると、膀胱が勝手に収縮する「過活動膀胱」の症状が出てきます。
このように「前立腺肥大症」が原因で起きる「過活動膀胱」もあり、主に2種類に分かれます。
脳卒中や脊髄の損傷で患った後遺症としておきる「過活動膀胱」です。
尿道や膀胱の運動を調整している神経の働きがうまくいかなくなることにより、尿を膀胱にためておくことができなくなるため、尿漏れが起きるようになります。
骨盤底筋のトレーニングは尿漏れやちょい漏れを防止するだけでなく、インナーマッスルが鍛えられるのでぽっこりお腹に効果があり、便通や腰痛を改善します。
また女性には生理痛を軽減し、産前は出産を軽くし、産後は骨盤を整えるという嬉しい効果があります。
自宅でできる簡単なトレーニングなので、ぜひ寝る前やリラックスタイムに取り入れてみてください。
尿漏れやちょい漏れは膀胱炎や膀胱癌、前立腺癌などの怖い病気が隠れていることがあります。
また膀胱に残っている尿に細菌が感染した場合には腎不全を引き起こすなどのリスクも。
トイレの頻度が多い場合や、痛みやかゆみを伴う場合は迷わず泌尿器科を受診してください。
尿漏れは加齢とともに起こるものであり、多くの人が経験しうる悩みです。筋力や神経の働きが衰えてくると、どうしても尿漏れを引き起こしやすくなってしまいます。
また男性の場合は、年齢を重ねるにしたがって前立腺が肥大化することが多く、その結果、尿道や膀胱が圧迫されて、頻尿や尿漏れを引き起こしてしまうこともあるのです。
尿漏れを自覚したら、まずは気軽に泌尿器科を受診することをおすすめします。どのタイプの尿漏れなのかをきちんと診断してもらうことで、その後の対処の仕方も明確になりますし、治療によって早期に改善される可能性もあります。
尿漏れは人に相談しにくく、つい一人で我慢してしまいがちですが、必要以上の我慢は生活の質を大きく下げてしまいます。放っておくと、症状が進んでしまう場合もあります。なかには病気が原因で尿漏れが起こっている場合も考えられますので、気になる症状が続くようなら早めに泌尿器科に相談をしてみましょう。