尿のお悩み・尿トラブル改善・体験談

【尿漏れ体験談】看護師が教える尿漏れ対策 ーなぜ尿漏れするのかー

【尿ラボ】【前立腺がん手術後の尿漏れ】看護師が教える尿漏れ対策 ーどうして尿漏れがおきるの?

尿漏れをする原因は人それぞれ違いますが、大人の尿漏れはどうしても気恥ずかしいということが否めませんよね。
今回は私が担当した患者様(以下Aさん)の体験談をお伝えします。
Aさんの尿漏れが始まったのは前立腺がん手術の後遺症が原因です。
Aさんは、日常生活の中でこまめにトイレに行くことを心がけ、尿取りパッドを使用していたので不意な尿漏れは未然に防ぐことはできていました。
しかし、どんなに気を付けている人でも尿漏れはいつの間にか起こってしまいます。
尿漏れを上手にコントロールしながら楽しく毎日を過ごすために、どのような工夫をAさんは生活の中で取り入れたのでしょうか。

前立腺がん手術後、初めての尿漏れを体験!

Aさんに前立腺がんが見つかったのは、数年前の夏でした。
幸いにも初期のがんであったので、治療は前立腺全摘出手術のみ。2週間ほど入院をし術後の経過観察を経て無事に退院をすることができました。
医師より、手術後の後遺症として「尿漏れ」の説明を受けていました。

Aさんは尿漏れをコントロールするため、頻回にトイレに行き、男性用の尿取りパッドを使用して、不意の尿漏れが起きないように工夫をしていました。
そんな彼が初めての尿漏れを経験したのは、家で晩酌をしていた時のことだそうです。
ほろ酔い状態で心地よくソファーに座りくつろいでいると、勢いよく「シャー」っと尿が出てしまったことに気がつきました。
尿取りパッドを使用していたので衣服や家具などに被害はさほど及ぶことはなかったのですが、この時ばかりは
「ついにやってしまった‥。」
と感じたそうです。

いくら手術後の後遺症であるとはいえ、当時の年齢は70歳。友人との旅行や飲み会、仕事にとまだまだ現役の1人の男性です。予想はしていたもののやはり尿漏れは「子どものおもらし」を彷彿とさせるものであり、いくら家の中であるとはいえ、この時は非常に気恥ずかしかったと話していました。

前立腺がん手術後に尿漏れがおきるのはなぜ?

前立腺とは身体のどこにあるか皆さんご存じですか?
前立腺は膀胱のすぐ下にあります。大きさはクルミほどで真ん中には尿道が通っています。排尿は前立腺の周りにある骨盤底筋や尿道括約筋の働きによってコントロールされています。
前立腺の手術では、これらの筋肉や神経を傷つけずに取り除くのは実は難しいとされています。
そのため、手術によって前立腺の周囲を傷つけてしまうと、排尿コントロールを行っている神経や筋肉が損傷されることで尿道がしまらなくなってしまい、自分の意思とは関係のないところで尿漏れを起こしてしまうのです。

尿トラブル対策の工夫点2つ

Aさんが尿漏れに対して工夫をしている点は以下の2点です。

尿漏れ事件をキッカケに下着を普通のパンツから尿漏れ対策専用のパンツへと交換をしました。
インターネットの通販サイトをみていただければ分かるように、普通の下着と比べると尿漏れ対策専用の下着のお値段は少しばかりお高めになります。
しかし、見た目もおしゃれで吸水性も抜群であり、温泉旅行やスポーツジム、銭湯などで着替えをするような場合も人目を気にせず気兼ねなく着用することができます。

もう1点は、男性用吸水パッドの代わりに生理用ナプキンを使用するようにしました。
吸水パッドでも吸水面に関してはもちろん問題はなかったのですが、やはり気になるのは厚手なことで、動くときの肌ざわりに対してやや違和感を感じているという話でした。また、着用部にややかさばりを感じていたそう。
かさばりによる不快感を軽減させるために、私は女性の生理用ナプキンで代替することを勧めてみました。
生理用のナプキンは小さく、持ち運びが簡単であることや、薄手で肌触りもよく吸水性もすぐれているため快適に着用ができるのではないかと考えたからです。
おむつを着用している男性は尿漏れを防ぐために尿パッドを陰部を包むように三角巻きするのですが、それを参考に生理用ナプキンで三角巻きをすることを提案しました。結果として、生理用ナプキンの代用はかさばりが少なく非常に使い勝手がいいそうです。

現在の様子

現在はAさんが手術をして1年がたち、経過観察のため年に1度病院へ通っています。
退院後の生活と比較をすると不意の尿漏れは少なくなってきたものの、くしゃみや咳など腹筋を使う動作には少しの尿漏れが現れるそうです。また、飲み会の席もしかり。話が盛り上がり大笑いをしたときなど要注意であるそう。
Aさんは不意な尿漏れを上手にコントロールするために、意識的にトイレに行く回数を増やす、外出するときには尿漏れ専用パンツを着用し生理用ナプキンで陰部を三角巻きにし保護をするという工夫をすることで、尿漏れに悩まされることなく楽しい毎日を送ることができています。 

まとめ

尿漏れが気になり、大好きだった仲間と会うことや外出も躊躇し、家の中で生活をする時間が増えてしまう方が少なくないのも事実です。
しかし、尿漏れは工夫次第で外出や友人との会合参加も可能で、今まで通りの生活を送ることができます。
尿漏れ対策には、それを生じてしまうキッカケの動作を把握しながら未然に防ぐ工夫が大切です。
今回紹介させていただいたAさんは、現在も尿漏れを上手にコントロールし、楽しい毎日を過ごすことができています。
尿漏れに悩む当事者の方やそのご家族も、Aさんの実体験を参考に生活の1つの知恵として活かしてくださいね!

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