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【泌尿器科医監修】尿の色が茶色になる原因は?ー運動、病気などが可能性ー

【尿ラボ】【泌尿器科医監修】尿の色が茶色になる原因は?ー運動、病気などが可能性ー

尿の色はその時々の体調や水分の摂取量によって変わるものですが、通常は薄い黄色をしています。
しかし、時に黄色よりももっと濃い茶色や茶褐色の尿が出ることがあります。
茶色い尿は黄色い尿がただ濃くなっただけのようにも思えますが、そのまま放置していてもよいものなのでしょうか。
それとも、茶色い尿には病気などが隠れていたりするのでしょうか。
ここでは、尿の色が茶色だったり茶褐色だったりする場合の原因と対処法についてご紹介します。

尿の色が茶色になる主な原因

激しい運動をした

いつもよりもきつい、激しい運動をした後に、 尿の色が茶色っぽくなることがあります。
これは、 汗をかいて体の中の水分量が少なくなったためにおしっこが凝縮されて、通常の黄色い色が濃くなったために起こるものです。
激しい運動をした後に尿の色が茶色っぽくなることは自然な現象なので、日常生活の中では普通の色であれば特に気にする必要はありません。

 

横紋筋融解症による急性腎不全

血液は全身を流れた後、腎臓で不要な 老廃物や水分が濾過されて尿として排出されます。
そのため、体の中に異常があったり、腎臓の 働きが低下したりした場合、尿の色に影響が出ることが。
尿の色が茶色くなった場合、横紋筋融解症が起こっていることがあります。

「横紋筋融解症」とは聞き慣れない病名ですが、体を動かす骨格筋の筋細胞が何らかの原因で壊死して血液中に溶け出すことで、体に力が入らない、手足がしびれる、全身の倦怠感、筋肉痛などが生じる病気です。
血液中に溶け出したタンパク質が腎臓で詰まると急性腎不全を起こし 、重症化してしまうことがあります。
血液中に溶け出した成分は尿にも排出されるので、尿の色が茶色くなってしまうのです。
横紋筋融解症の原因としては、薬の副作用、激しい運動、手足が何かに挟まれた時の外傷などがあります。
筋肉痛や手足のしびれと同時に赤褐色の尿が出る場合は速やかに病院を受診しましょう。

 

溶血性貧血

「溶血」も聞き慣れない言葉ですが、「溶血」とは血液に含まれるヘモグロビンが何らかの理由で破壊されることを言います。
溶血性貧血とは、 血液中のヘモグロビンが破壊されることによって起こる貧血です。
原因としては、細菌感染、アレルギー、激しい運動などがあります。
血液中のヘモグロビンが破壊されるとビリルビンが発生して黄疸が出たり、尿中に漏れ出して茶褐色の尿が出たりします。

 

ポルフィリン症

ポルフィリン症とは、難病指定されている、遺伝的な原因を持つことのある病気です。
血液中のヘモグロビンの生成過程に異常があると、本来ならば尿や便として排出されるポルフィリンという物質が皮膚や血液、臓器などに蓄積して、体に悪影響を与えるのです。
主な症状としては、皮膚が光に対して過敏に反応したり、肝臓の機能が低下したりすることがあげられます。
ヘモグロビンを構成する「ヘム」には赤い色素が含まれています。
ヘモグロビンの生成に問題があると、尿の中にもポルフィリンの前駆物質であるポルフォビリノーゲンが増加するため、褐色の尿になります。

 

薬による変化

病気の治療のために飲んだ薬の影響で尿が茶色っぽくなることがあります。
服用した薬の色だったり、 薬が体内で他の物質と合成されることで生じた色だったりします。
抗生物質の ミノサイクリンで尿が黄褐色から茶褐色になったり、 糖尿病の治療薬である エパルレスタットで黄褐色になったり、 その他にも下剤や止血剤で尿の色が茶色くなることがあります。
尿の色が茶色っぽくなる薬が処方される場合には事前に説明がありますので、不安なことがあれば確認しておくようにしましょう。

参照:
大阪府立急性期・総合医療センター 腎臓・高血圧内科
おしっこ(尿)の色が濃い、茶色っぽい」(五本木クリニック)

 

尿の色が茶色など、いつもと違ったら

尿の色がいつもよりも濃い、茶色くなったと感じると、不安を覚えることがありますよね。
大量に汗をかいたあとや、激しい運動をしたときなどはそのまま様子を見て、普通の生活の中では尿の状態も通常に戻るようであれば問題はありません。
ただ、茶色い尿のほかに全身の倦怠感などの異常がある場合には、大きな病気が隠れている可能性があります。速やかに病院を受診するようにしましょう。

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