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【泌尿器科医監修】尿の臭いとストレスの関係ー原因はアンモニアー

【尿ラボ】【泌尿器科医監修】尿の臭いとストレスの関係ー原因はアンモニアー

尿の臭いと似た臭いが自分の体や汗から漂っていると感じたら、ストレスが溜まってきている証拠の一つです。
こちらの記事では、ストレスや過労が原因で生じる「疲労臭」に、なぜ尿と似た臭いがするのか、またストレスからくる疲労臭の対処法について、ご説明します。

ストレスからくる「疲労臭」と尿の関係

自分の汗や身体から尿と似たような臭いがしだしたら、それはストレスに伴う「疲労臭」を疑ってみてください。
実は体や汗の臭いの大きな要因の一つは疲労からくるものなのです。
ですから体を丁寧に洗って皮脂ケアを一生懸命行ったとしても、疲労が原因で起こる「疲労臭」を完全に防ぐことはできません。

この尿に似た臭いを持つ疲労臭とはどんなものかというと、体内のアンモニアが血液を通じて汗や皮脂として分泌されることから生じるものです。
体のメカニズムの観点からこの不快な疲労臭の臭いについて考えてみると、臭いの原因となるアンモニアは疲労回復や腸内細菌の働きの副産物として体内に存在するようになります。これ自体は普通の体内メカニズムの一つであり、通常は肝臓を通って尿素に分解されます。そしてそれが尿となって排出されるため、尿にはある程度のアンモニア臭があるのです。
しかしこのアンモニアが体内で十分に処理されなくなると、血液中にアンモニアが回り、汗や体臭が不快な尿に似た臭いへと変化するのです。

 

疲労臭の原因は「アンモニア」

【尿ラボ】疲労臭の原因は「アンモニア」

 

 

アンモニアが体内で分解しきれないことが疲労臭の原因といえますので、疲労臭の対策としては体内でしっかりとアンモニアを分解できる環境を整える事です。

この点で、体内でアンモニアの分解が低下する3つの要素について取り上げてみます。

 

アンモニアの分解が低下する3要素

  1. 腸内環境の悪化
  2. 筋肉疲労
  3. 肝機能の低下

まず、最初に取り上げるのは腸内環境の悪化です。
腸内には多くの腸内細菌が存在しており、それらがエネルギーの生成や体の防御システムの一部として働くことはよく知られています。
しかし暴飲暴食や動物性脂肪の摂取過多などによって腸内細菌のバランスが崩れると、腸内細菌の働きが落ちてくるのです。その結果としてアンモニアの分解にも遅れが生じて疲労臭へとつながる結果となります。
一般的に「たくさんお肉を食べると体臭がきつくなる」といわれるのは、あながち間違いではないわけです。
営業など外回りの多いサラリーマンの方ですと、肉体的な疲労も大きなものです。
実は「筋肉疲労」もアンモニアの増加に関わりのあるものです。
そもそも体内に存在するアンモニアは、摂取したたんぱく質が分解された際に作り出されるものです。筋肉疲労が重なると、体は疲労回復のためにエネルギー源となるたんぱく質を用います。
ですからストレスや疲労が進むば進むほど、たんぱく質を分解したことに伴う副産物としてのアンモニアの発生も増えてくるわけです。

アンモニアが増えるもう一つの要素は「肝機能の低下」です。
肝臓はアンモニアを尿素に分解する点で大きな働きを担っている臓器です。ですからその肝臓の機能が落ちると、アンモニアの処理能力も落ちていき疲労臭が発生することになります。
肝臓機能が低下する要因としてよく取り上げられるのがアルコールです。サラリーマンの方であれば、忘年会や新年会が続く時期はどうしても飲む量も増えがちです。また大きな仕事にとり組んでいる時などストレスが増加すると、お酒でストレス解消を図る方もいます。
でもそうした生活が続くと、肝臓の機能が低下して処理されないアンモニアが血中に増えることになります。そしてそれは疲労臭という形で表れてくるのです。

 

ストレスからくる疲労臭の対処方法

 

【尿ラボ】ストレスからくる疲労臭の対処方法

動物性脂肪の摂り過ぎを防ぐ

動物性脂肪の摂り過ぎを防ぐことは疲労臭を軽減することに役立ちますが、どんな食品に動物性脂肪が多く含まれているのかをまず知ることが大切です。

動物性脂肪が多い食品としては、肉類は代表的な食品です。しかし同時に、体に必要なたんぱく質を多く含む食品であるのも確かです。
ですからお肉を食べる時には、脂肪を避けて食べることや、赤身の多い部位を選ぶことで動物性脂肪の摂取を減らすことができます。
またバターや生クリームなどの乳製品にも多くの動物性脂肪は含まれていますので、味付けや調理法を工夫することで摂取量を調整することもおすすめです。
男性の方であれば、焼肉やステーキをガッツリ食べてストレスを吹き飛ばそうと考える方もいらっしゃるでしょうが、少し食べ方を工夫することで不快な疲労臭から解放される可能性があるのです。

 

筋肉疲労を取る

ストレスや筋肉疲労からくる疲労臭を取るためには、リラックスすることや疲れをためない工夫をすることです。例えば、適度な休息をいつも心がけることで疲れをため過ぎないようにすることができます。

この点で質の高い睡眠は疲労回復に役立ちます。
寝る直前に食事をしたりアルコールを摂取するのは睡眠の質を下げることにつながりかねませんので、できるなら寝る3時間前には食事を終えておくことで、疲労臭を防ぐ助けになります。
また寝る前の入浴はシャワーだけでなく、湯船につかってゆっくりとするのもおすすめです。少しぬるめのお湯でじっくりつかると、身も心もリラックスしますので、ストレスや疲労回復に役立ちます。

 

肝機能をよくする

肝機能をよくする点で注目したいのは「オルニチン」の働きです。
先ほども考えたように肝臓はアンモニアを尿素に分解する代謝回路を持つ臓器です。この代謝回路は「オルニチンサイクル」とも呼ばれます。なぜなら肝臓がアンモニアを尿素に変換する過程で、アミノ酸の一つであるオルニチンが大きな役割を果たしているからです。
つまり肝機能を良くする点で、食生活の改善やアルコール摂取を調整することに加えて、オルニチンを上手に摂取することが役立つわけです。
オルニチンが多く含まれる食品として有名なのが「シジミ」です。
最近ではオルニチンを手軽に摂れるサプリメントも発売されています。飲んだ後のシメはラーメンを食べているという方は、疲労臭を防ぐためにシジミ汁に変更することでオルニチンを補給する事もおすすめです。

 

まとめ

ストレスや疲れが蓄積されると、本来は肝臓で分解されて尿から排出されるべきアンモニアが分解されずに血中を通じて汗などに含まれるようになります。その結果として生じるのが、不快なアンモニアと似た臭いを持つ疲労臭です。
この疲労臭を防ぐためには、食事による腸内環境の整備、筋肉疲労を取る、肝機能の向上を図る事の3つが大切になります。
入浴による疲労回復やオルニチンを意識して取ることは、疲労臭を軽減する点で効果が期待できることです。尿の臭いはストレスや疲労を示す指標となりますので、少し意識してみるだけで大きな健康問題を避ける点で役立つものとなるでしょう。

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